こだわりで会社がまわらない

以前、一緒に働いていた制作会社のデザイナー君と梅田で焼鳥を食べる。

業界全体の傾向として制作単価が落ちてきているが故に、案件の詰め込み具合が去年にも増してもの凄いらしい。

ただ、ここに来て、デザイナーの間で仕事量に格差が出てきているとのこと。
どういう事かと言うと「ひとつの案件に長時間張り付く」デザイナーとそのしわ寄せに「短期間の案件を詰め込まれる」デザイナーとに二極化しているらしい。

もちろん仕事量の調整は行われるが、そういった格差の問題で出るセリフは決まって「うちらはデザインに対して『こだわり』があるからこれ以上はリソース削れない、このままだと会社の特長である『こだわり』が無くなってしまう」ということらしい。

そんな理由で?
とも思えなくとも無いけど、その会社での「こだわり」というキーワードはある意味、会社のアイデンティティーというか、自分たちであるための拠り所の様な単語として君臨しており、その場では凄い重みを持って受け止められてしまう。
デザイナーを大切にする社風と、このキーワードを掛け合わせると、これ以上話が進められない「腫れ物」が完成する。

「こだわり」を売りにするのはクライアントへのセールストークとしてよく使うけど(相手を納得させられるクオリティーがあればだが)。
しかし、「こだわり」をアピールするのはディレクターやプロデューサーといった営業側の人間が使うトークであって、デザイナーがわざわざ社内で謳うことでも無いはず。

しかも、社内の仲間に対して言うなんてどうなんだろう。
そんな言葉を投げられた同僚のデザイナーはどう思うんだろうか。
そこにはリソースを確保したい担当者の意図があるのかも知れないが、言い訳と言うかすごい幼稚な感じがする。

他の会社は「こだわり」というものをいっさい持ってないとでも思っているのだろうか。
そもそも他の会社はそんな「こだわり」といった言葉をあえて口にしない理由があるのではとか考えようとしないのだろうか。
「こだわり」なんて、デザインする人みんな持ってて当然でしょ?

そんなことを思いつつビール片手に「なんか大変だね〜」とぐらいしか返事が出来なかった。
そういったことに違和感を感じることができる、デザイナー君の活躍を願ってやみません。

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